トップページ日記2017-03-16 > 渡瀬恒彦は薬師丸ひろ子のファーストキスの相手(たぶん)

渡瀬恒彦は薬師丸ひろ子のファーストキスの相手(と信じている)

渡瀬恒彦といえば『セーラー服と機関銃』。なぜがひとりだけ芝居が完全に東映実録路線。でも浮いてないのは、ヒロインが旧撮影所システムとは無関係に現れた天使だし、監督がアンゲロプロスをやりたがったり、寺山修司を引いてみたり、そもそも統一性がないから。

薬師丸ひろ子以外のシーンで最大の見所は、渡瀬の濡れ場と言ってもいい。風祭ゆき――にっかつロマンポルノのスティグマをもった女優とのからみだ。東映とにっかつの火花を散らすマリアージュに、当時の映画青年は狂喜乱舞。しかし、あまりの汗くささにロードショーでは画面が四分の一くらい黒塗りに(ありえないよ、いろんな意味で)。そして、偶然それを見てしまう薬師丸ひろ子の青ざめた顔。あたりまえだが、そんなシーンは原作にはない。相米慎二は本当にえぐい。最後のキスシーンも……。

松方弘樹もそうだけど、若いころは不遇というか、上がつかえててもがき苦しんでた印象がありますよね。忘れられないのは、『仁義なき戦い 代理戦争』。笠原脚本の妙と、名バイプレーヤーたちの芝居合戦で再評価は高まるばかりですが、それだけじゃ映画は成立しないので、話を引っ張るための仮初めの主人公というか、微妙な感じで話の芯にいる若者を演じているのが渡瀬。とにかく『頂上作戦』に話を繋げなきゃいけないんだけと、繋げるだけじゃ客が満足しないだろうという(それもまた笠原脚本)、企画の歪みで生じてしまった役を必死にこなす様が、理不尽な最期を遂げる役柄以上に悲愴感たっぷりだった。

ご冥福をお祈りいたします。

カテゴリー: [日記] - 11:43:34

ページ管理者:草凪 優
イラスト:小玉 英章