トップページ日記2011-03-15 > 地震日記

地震日記

地震直後、市街地にある自宅マンションではライフラインが確保できず、クルマで30分ほど離れたところに避難していたのだが、そこは裏の田んぼで大量の白鳥が羽根を休めているようなとんでもない田舎で、夜空は人影ができるほど月が輝いているにもかかわらず満天の星だった。

電気は通じていなかったが、ガスと水は大丈夫だった。携帯はまるで通じず、ネットにも接続できず、災害情報はクルマのナビに着いている小さいテレビ(映り悪い)だけだったので、沿岸部の町が津波で全滅というようなニュースに接してもイマイチよくイメージできなかった。

ようやくライフラインが復旧し、自宅に戻ってきて42インチのプラズマで地デジを見ると、映像が鮮明すぎて気持ち悪くなった。以後、ニュースの音は聞いていてもあまり映像は注視しないようにしている。

「手術台の上の、ミシンとコウモリ傘」というロートレアモンの詩を思いだした。「日本でシュールレアリスムが育たなかったのは、地震とか台風とかの天変地異があるからだ」と言っていたのは中上健次だったか。たしかに超現実だ。電線に便器がぶらさがって、家の屋根に船がのっかってるんだから、ミシンとコウモリ傘の比ではない。

うちは岩手といっても内陸なので、まわりに倒壊した建物はなく、火事の煙が派手にあがっていることもなく、町は一見して静まり返っている。ただ、家の中はメチャクチャで、ガラスの割れた窓から出入りする状況がしばらく続きそうだし、掃除機が救出できないので部屋も廊下もガラス片だらけでスリッパを履かないと歩けない。

余震はいまも続いていて、なんだか船酔いにあったように気持ち悪い。大きな余震がくると思うと、倒れた本棚も立てられない。いまのところ大丈夫だが、ガソリンやプロパンガスの供給の目処はたたず、粉ミルクとかも売ってないみたいだ。買ったばかりのクルマがリッター7キロしか走らないってのがつらい。プリウスにしとけばよかった……とは思わないけど(笑)。

むむっ……なんか調子が暗いなあ。

懸案の締め切りをクリアしたので、しみじみと不安がこみあげてきたりしてます。

とはいえ、こんなときでもエロ作家のブログをのぞきにきてる人には、少しは明るい話題も必要でしょうか。

上記のような状況でも『蜜命♡チュウ乳』ってタイトルの原稿書いてましたからね。♡は「ラブ」って読むんですよ! 「本当に不安なのか?」と訊ねられたら、「不安を感じる……脳が足りない」と答えてしまいそうなムードですから。正直、酒ばっかり飲んでるとか、オナニーだけはやめられないみたいなことを言ってたら、同業者からもドン引きされて哀しかったです。

あ、あと岩手(主に盛岡)近辺の状況に詳しいツイッターを教えてもらったので貼っておきます。僕はツイッターよくわからないのですが、本屋さんの人が書いてるみたいです。

http://twitter.com/sawaya_fezan

カテゴリー: [日記] - 02:18:34

ページ管理者:草凪 優
イラスト:小玉 英章