トップページ日記2010-02-23 > できれば毎夜でも……

できれば毎夜でも……

『高砂コンビニ奮闘記』(森雅裕著)を読む。乱歩賞の受賞作家が干されて仕事がなくなり、50を過ぎてコンビニの店員をする日記みたいなエッセイ。高砂は以前近くに住んでた土地だし、「食えなくなった物書き」というテーマも他人事とは思えないので……。

でも、まあ、すいません。森雅裕の小説を読んだことなかったので、全然ピンときませんでした。干された理由が、自分は正しいことを言っているのに、編集者のプライドが高すぎて指摘したら逆上された、みたいなことなのですが(他にも多々理由はあるが)、その前に読んだ西村賢太の『一私小説書きの弁』のほうが遥かにすごかった。「文法的に成立してません」という編集者に「俺は国語の教科書書いてんじゃねえ」とばかりに噛みつきまくり。いっそさわやかなまでの理不尽ぶりだが、まだまだ西村さんの本を読みたい僕としては、どうか編集者さんの堪忍袋の緒が切れないようにと神に祈るばかりだった。

もっともグッときた箇所は――
「こう私のように長いこと貧しさから痛めつけられ、もはや困窮も慢性化している者にとり、殊更の貧乏自慢と云うのはなかなかにしかねるものである」
「けれども私は、できれば毎夜でも本番ありの買淫をしたい」(小貧民の愚痴)
同感です。「本番ありの」と念押しを入れるところがたまりません。
ぜひぜひ芥川賞を獲ってください!

カテゴリー: [日記] - 09:10:29

ページ管理者:草凪 優
イラスト:小玉 英章