トップページ日記 > 2009-10-03

大人になりたい

大人の定義にはいろいろあると思うが、「天気の話で間をもたせる」というものそのひとつだろう。僕がかねがね立派に天気の話ができる大人になりたいと思っていた。それも人間関係の薄い、たとえば近所のおばさんとかと天気の話をさりげなくできるようになりたい、と。実際のところは日がな一日部屋に籠もりきりで、季節に関係なく暑ければクーラーを、寒ければ暖房を入れるので、天気になんてこれっぽっちも興味ないのだが……。

で、先ほどエレベーターで前に住んでるおばさんと一緒になった。密室でふたりきり。押し黙ってるのも間が悪い。これ以上ないお天気話のシチュエーションだ。

「急に寒くなってきましたね」僕は先手を打った。天気の話は後手にまわるとうなずくだけになるからだ。
「……(間)そうですねえ」
「インフルエンザも流行ってるみたいだし、風邪に気をつけなくちゃいけませんね」
「……(長い間)はあ、気忙しくなってきましたし」
「ええ、ええ。来月もうお酉さまですよ、驚いちゃいますね。まったく光陰矢のごとしですよ」
 完璧だと思った。時事ネタにご近所ネタに使い古された慣用句、それらを鮮やかに散りばめた隙のないお天気話だと自画自賛。
 しかし……ドアを開け、玄関に置かれた姿見を見て苦笑いがもれた。おばさんの間の理由がわかった。僕は短パンにTシャツに下駄履きだったのだ。「そんな格好してたら寒いに決まってるでしょ!」とおばさんは心の中で突っこんでいたに違いない。

いやあ、お恥ずかしい。でも、デブはラーメン食べるとき汗かくから、薄着で行かなくちゃいけないんですよ……。

カテゴリー: [日記] - 19:04:51

ページ管理者:草凪 優
イラスト:小玉 英章