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アンサー2

ようやく長編を脱稿し、その勢いで月刊誌の短期集中連載の第1回目を書き、あとはプロットをなんとかしないといけないのにもう今月も17日。くたくたに疲れきっているわけですが約束は守らねばならないので、サンスポ講座のときにメールで寄せられたJKさんからの質問にお答えしますの巻、第2弾!

【Q2】これだけは誰にも負けません!
(大阪の講座で)永田先生が作家さんそれぞれの「こだわり」について話しておられましたが、「自分はこれだけは他の誰にも負けません!」というのとそれに関連して「これはこの方には絶対にかないません」というところ。

【A】これは睦月さんもよくおっしゃいますけど(主にプロ志向者やデビューしたの人に)、こだわりを全面に出すと出版社が売り出しやすいというか、読者がつきやすいわけですね。

睦月さんなら「匂い」とか、橘さんなら「お尻」とかは、フェティッシュの系統。あとは、この人は「ロリ」とか、「レイプ」とか、「姉もの」がうまいとか、いろいろありますけど。

ポルノ小説の読者は、作品の完成度よりも、たとえ下手でも同じ性癖をもつ作者を支持しますから、こういう傾向が生まれるわけです。僕も読者のときは、作者の名前というより、レーベルとテーマだけで買ってました。黒いカバーで帯にレイプって書いてあれば買っちゃえ、みたいな。いま僕が書いている一般官能ではなく、ポルノ専門文庫の話ですけど。

ちなみに僕は「こだわり」についてそう意識的ではなくて、なぜかというと極端に偏ったフェチ志向や性癖がなく、単なるすけべだからなわけですが、作品によって、今回は眼鏡フェチをテーマにしてみよう(『ナイショの秘書室』)とか、匂いをテーマにしてみよう(『下町純情艶娘』)とかいう感じで書いてます。

一般文庫だと濡れ場だけを書いているわけではないので、強烈な性癖より、作者の作家性みたいなもので読者がつくと思うからです。ポルノ専門文庫全盛期から一般官能へと時代がシフトしてきたことの必然でしょうか。先鋭的でマニアックなエロって、いまはもう本当に書きにくい世の中ですから……。

ただまあ、初心者の方が書くうえで、○○にこだわってみよう、と決めて書きはじめるのは「あり」だと思います。フェチックなことだけではなくても、キスシーンだけは誰にも負けないくらいしつこく書いてやろうとかって決めて書きはじめると、筆の進みもよくなると思いますね。

僕が駆けだしのころは、挿入してからなるべくたくさん分量を書こうと思っていました。最低10枚とか。挿入してから分量書くのってかなりエネルギーがいりますから、ベテランの書き手になってくると短くなってくるんですね。で、若手の僕はなるべく長く書いて対抗してやろうと思ったわけです。

あと「これはこの方には絶対にかないません」ですが……僕はあんまりそういうのは感じませんね。僕のほうに深いこだわりがあるわけではないので。もし僕が尻フェチなら、橘さんのやつを読んで負けた……と思うかもしれませんけど、女の体は尻だけじゃないし(笑)。僕は文章がうまい人に嫉妬します。奇想天外な物語を思いつく人に嫉妬します。初々しいヒロインを書ける人に嫉妬します。長く書いているのに姿勢が崩れない人に嫉妬します。

というわけで、今回の回答は酔拳でお送りいたしました。

カテゴリー: [日記] - 05:39:01

ページ管理者:草凪 優
イラスト:小玉 英章